第1日目 東北学院大学 教養学部 准教授 稲垣忠氏
「デジタル時代の学びと教材 実践研究からみえること」
教科書、資料集、問題集、映像・音声など、子どもたちが学習する際に使う教材はさまざまです。教師が授業を効果的に・効率よく進めるためにICTを使うことに加え、子どもたちの学習環境にICTが組み込まれてきた結果、ますます多くの教材がデジタル化されています。デジタルには紙面や紙幅の制約がないだけでなく、マルチモーダル性、双方向性、カスタマイズ性といった特性があります。その結果、従来の教材の垣根を越えた新たな教材や学習サービスが続々と生まれています。
とはいえ、デジタル教材は子どもたちの学習を十分に支援できたかどうか、これからの時代に求められる資質・能力の育成に資するものであったかどうか、実証されてはじめて意味を持ちます。デジタル教材をどのような学習環境で活用し、どのような効果が確認されたのか。教育工学的な実践研究の立場からのケーススタディを通して、これからのデジタル教科書・教材をめぐる研究のヒントになる話題をご紹介します。
第2日目 (株)村上憲郎事務所 代表取締役 村上憲郎氏
「グローバル時代を生き抜ける人材を養成するために」
グローバル時代の到来が叫ばれるようになって久しい。グローバル化そのものの是非について賛否があるとしても、それは避けがたい現実である。まず、グローバル化の3つの段階を紹介した上で、これから否応なしに、そんな時代を生き抜いて行かざるを得ない子供達に施すべき教育について、グローバル人材を養成するという観点からも、同じく3つの段階をなぞりながら、米グーグルやいくつものグローバル企業で働いた経験を持つ先行者として、いくつかの重要な事を、私見ではあるが、開陳する